セミナーなどでSpoolライターVer5.0でお客さまから受ける質問の多くに
「APW罫線がズレることはありませんか?」という質問をよく受けます。
初めはなぜこのような質問があるのか不思議でした。
「罫線がズレて印刷されることはありません。」というのが
いつもの私の回答なのですが弊社としては罫線がズレるという障害が
あれば製品としてリリースできないので当然「ありません。」と
いう回答になります。
変なことを聞かれるものだなと思っていたら最近になって
ようやくその意味がわかりました。
ある高額な他社製品で罫線がズレてしまうという障害が
頻発していたのです。
この製品の障害はずいぶん以前より発生していたようで
最近になってまだ噂を聞いて驚いたような次第です。
「Spoolライターは罫線が正しく印刷されるから
社内の評判がいいですよ」と聞かされても
嬉しい反面、それは当たり前のことなのでメーカーとしては
当惑してしまいます。
他社製品でまさかそのような瑕疵を抱えたままで
流通している製品があるとは思えませんでした。
製品としてリリースしている限りバグは大敵で
問題が発生すれば全力を挙げて解決しなければならないのは
対価を頂いているメーカーとしての責務です。
また別の製品では罫線そのものが印刷できないというものも
ありました。
この会社のHPでは他社製品との比較表が公開されていましたが
罫線の項目の比較はありませんでした。
SpoolライターVer5.0が使っているWindowsのFAXモデムなら5千円もあれば買えますが
この会社では133万円~と書かれていてこれも驚きました。
できれば比較表にはぜひ弊社の製品の名前も公開して頂きたいものです。
さてこのような罫線の障害や罫線サポートができないという背景に
あるのは罫線の難しさかも知れません。
SCS解説には罫線の解説はたった2ページしかありません。
SCS仕様はIBMユーザーに理解してもらうことを目的とは
していませんので仕様だけの公開ということになると
わずか2ページになってしまったのでしょう。
2ページということであまり説明もありませんので
いろいろと実際に罫線に関わるSCSストリームを自分で
作成したりAPWによって生成された罫線を解析するしかありません。
弊社の優秀な技術者はわずか2ページの解説で十分に理解したようでしたが
私は繰返し確認しないと初めのうちはなかなか理解できませんでした。
(今は十分理解していますが)
実は以前にAPWの罫線データを理解するのと解析するために
IBM のAPWとまったく同じ機能を開発しました。
弊社のような貧乏会社ではすべてのIBM iマシンに IBM APWを
契約することができなかったので自前で CRTAPW や MRGAPW を
開発したのです。
APWは文字ベースでAPWソースを作成するという大変面倒な作業があったので
これを無くすために自前でAPWと同じものを開発したのです。
(何とAPWを自社開発したのです)
おかげで無料で使えるAPWライブラリーが弊社にはあります。
(これは売り物ではありません)
そこで今回のSpoolライターの編集機能も内部で文字だけでなく
罫線データもデータ・ベースに分解してまた再組立てしていますが
これもAPWと罫線の理解があったからだと思います。
MRGAPWを使って罫線をマージするとスプールは 余分な1ページ分増えることを
ご存知であると思いますが弊社の罫線のスプールの作成では
このようなことは起こりません。
つまりIBM が作成した(当時の日本のSEが開発したと言われていますが)
APWよりは弊社の技術のほうが少し進んでいると言えます。
今では罫線データ処理をはるかに超えて画像データの処理へと
進んでいます。
IBM iをお客様がFacebookやWordpressのように手軽に画像データを
扱って頂けるようになることが当面の目標です。
使って頂いたお客様がこの製品を選んで良かったと喜んで頂けるようになるのが
目標なのです。
採用して頂いたお客様が本当に利益になるよう願って努力を続けています。