社長ブログ

47. AI による進歩とは

昔は弊社もこのTips & Techniquesによって
IBMユーザーを集客していました。
AS400会議室もそのひとつです。
他社もこれを真似て同じようなサイトをいくつか
立ち上げましたがどれもあまり成功していません。
2番煎じで成功するものはないのです。
しかし今では弊社の主たる集客手段は検索サイトです。
Tips & Techniquesを見てきたというお客さまは
一人もいません。
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ところが昔はTips & Techniquesの保守のために
専属のWebデサイナーを社員として抱えていました。
デザイナーが二人いたこともありましたが
多くの仕事はTips & Techniquesの保守です。
しかし今ではTips & TechniquesはWordPress化されて
テキストを埋め込むだけで記事を発信できますので
デザイナーを雇う必要はなくなりました。

また自社製品の公示やHPでの情報発信も
デザイナーの力が必要だったのですが
これもWordPress化されてテキスト入力だけで
できるようになりましたのでデザイナーを雇用する必要は
なくなりました。
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世間的にも居酒屋や美容院のHPはもう必要ありません。
SNSの普及によって誰もが簡単に情報発信できるように
なったからです。

デサイン会社も少なくなってきました。
デザイン会社から仕事はありませんか? というメールばかりが
毎日やってきます。

労働力の不足は科学の発達を推進させて
次にAIの時代がやってきました。
AIというと最初は将棋のAIが連想されますが
ChatGPTの登場によってこれまでより実用的なAIが
登場したのです。
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結論から申しますと今はAIと日本語などで
普通に対話できることが過度に評価されているようです。
今までのIBM Watsonなどによる ChatBOT というのは
少し言語を解釈できて質問に対する答えのパターンが
予め数多く用意されているだけです。
つまりただの莫大なFAQです。
Watson が動作しているOSはUNIXだそうです。
普通のコンピュータです。
しかもコンピュータが考えて答えているわけではありません。
このようなレベルであれば弊社のAutoWeb IoTでも
やってのけています。

ところがChatGPTの言語解析能力は優れており
日本語処理にも違和感はありません。
そこでMicrosoftなどが次々とこれを生かして製品にGPTを
搭載し始めました。

私が注目したのはOffice365 PowerPointによる
PPT作成機能です。
簡単な原稿など課題を教えてやれば必要な画像さえも
Office365がGPTを使って生成してくれるというものです。
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これはビジネス・シーンの革命となるでしょう。
今、多くの人手によるパワー・ポイント作成に時間が
とられていますし弊社も外注にお願いしている
仕事の一部です。画像も有料のAdobeから入手しています。
パワー・ポイント自体がすぐに売上に直結するわけでは
ありませんがプレゼンテーションとして非常に重要な
仕事のひとつです。

Office365 には CO-PILOT(=副操縦士)という機能として
GPTが搭載される予定です。
具体的にAIのパワーが仕事に役立つ最初のものとして
大いに期待されます。
ある取引先では既にGPTを有償契約していて提案書などはGPTに
作らせているとのことです。
同じ会社のプログラマーも既にGPTの活用を始めているとのことです。
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TVは全盛期がありましたが今年はYouTubeばかりで
TVチューナーの無い画面ももう安価で販売されています。
ただCMばかりを詰め込んで受信者に選択肢にないTVに比べて
YouTubeは能動的に視聴者が好きなときに好きな番組を
選択することができます。
もうTVの時代は戻ってこないでしょう。
これも科学の進歩による経済活動の変化のひとつです。
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AIによって経済活動はこれからますます効率化していきますので
よほどの能力に優れた人でないと適切な職種に就くことは
難しくなるのは時代の流れです。
弊社でもGPTのAPIの公開によって自社製品にGPTを組み込んでいく予定です。
Watson の能力では製品の付加価値を高めることはできませんでしたが
REST APIの使い方は経験しましたので十分組込みは可能です。
これからはAIをバンドルした製品が競争力を持つことになります。
このようにビジネス・モデルは年々変わるどころか
AIの登場によって劇的に変化しています。
 
さて統計によればIT業界の就職倍率は0.18です。
つまり10人の応募に対して1.8人の募集しかありません。
それは10人の応募はほとんど未経験者であったり
能力が不足している人たちです。

中国では別の原因もありますが若者の失業率は20%以上と
中国政府が認めていて若者による路上販売が増えています。
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中国も日本のデザイナーも仕事がないので給料は下がっているのですが
下がった給料では中国の若い人も日本のデザイナーも職には就かないのです。
自分がいつまでも高給がとれるはずだと信じているからです。
その結果、労働者がいるのに労働者不足が発生してしまいます。
経験のないデザイナーはデザイン会社は雇いません。
しかし経験者は昔の給料を夢見て安い賃金には応募しません。
結果として労働者不足となります。
また優秀な技術者は不足していますが
衰退した業種の労働者ばかりが余っています。
 
日本でもこのようにして失業と労働者不足が同時に起こっているのは
このような経済構造が変わりつつあるからです。
AIによる変化はこれからもっと大きく経済構造を変えることに
なるでしょう。
シンギュラリティ(Singularity)という特異点とはAIの能力が
人間の能力を超えるときです。
シンギュラリティは2065年ごろだと言われていましたが
今の状況を見ているともっと早くなりそうなことは確かです。
AIの普及によってすべての人が楽になるわけではありません。
生き残れるのは能力のある人だけという厳しい時代になります。
こんな言葉があります。

AIは人類最後の発明である。
なぜならそれ以降の発明はすべてAIが発明するからだ。