歴史ミステリー

24. 橋爪啓の伝承・滝の拝太郎伝説(2)

歌人・橋爪啓はまたもうひとつの滝の拝太郎伝説も残している。

昔、滝の拝に滝の拝太郎という侍が住んでいて滝の周辺に穴を掘って
人々の目を楽しまそうと毎日刀で穴を掘り続けていた。
やがて999個の穴を開けて1000まであとひとつというときに
刀を滝壺に落としてしまった。
侍は刀を探しに滝壺にもぐったのだが、そのままいつまで経っても
戻らないので家人や近所の人々は滝の主にでも食べられてしまったのだろうと
7日目に拝太郎の法要をしているところに太郎がひょっこり
滝壺から現れたので皆一様に驚いた。
太郎の話によれば滝壺の中には大変立派な宮殿があって
滝の主といわれる綺麗なお姫様が大勢の侍女にかしづかれていて
太郎のことを大変歓迎してくれたとのことである。

….滝の拝太郎の話はこのようにまた別の話としても残っている。
これも浦島太郎伝説とよく似ている。

  和歌山には入ると二度と戻ってこれない伝説のある浮き島
新宮に現存している。
  私は子供のころに母からこの島の話を何度も聞かされたが
  ただの伝承とばかり思っていたが真実であった。
和歌山には不思議な伝承が多い。