AutoWeb

79. 「聞くチカラ」….お客さまの質問から(1)

「聞くチカラ」をアピール・ポイントに強調していた政治家が
いましたが本当のコミュニケーション能力というのは話す力ではなく
「聞くチカラ」です。
 
これから過去のセミナーやWeb会議でお客さまからAutoWebに出された質問と
その意図を探ってみたいと思います。
Web化やGUI化にお客さまがどのような悩みを持っておられるのかが
良くわかりますのでご参考にしてください。
 

■ GO MENU形式でないメニューでもツリー・メニューになりますか?

IBMユーザーのお客さまはIBMメニューはGO MENU形式で作成されている正規のメニューであるが
自社のメニューはCLPやRPGで作成されていてCALL MENU形式で呼び出すために正規のメニューではないと
思っているためにこの質問が必ず出るのですがCALL MENU形式のプログラム・メニューであっても
ツリー・メニューとして表示することはできます。
ただしツリー・メニューとして表示するには元のメニューに復帰するコマンドがF3キーや
F12キーなどひとつの機能キーに統一されていなければなりません。

またサブ・メニューとしてツリー表示されるためには各サブ・メニューのテキストには
「メニュー」のようなサブ・メニューであることを判別できる文字列が含まれて
いなければなりません。
統一した文字列表記にルールがないような場合はツリー・メニューで運用することは
難しくなります。

■ 5250ハンドラーで拡大した画面をエミュレータで表示するとどうなりますか?

5250ハンドラーで拡大する前の画面は必ずデモの前にご紹介しているのですが
時々このようなご質問がでます。
5250ストリームには24*80という画面サイズの制約はありませんが
5250エミュレータが24*80の制約を持っています。
仮想端末APIは接続すると最初にDSサイズを訊ねてきます。
DS3と答えると24*80オーバーの位置のストリームは送ってきません。
IBMはDS3とDS4しかDSサイズを定義しなかったので27*132以上のストリームを
生成することができませんでした。
しかしHTMLでは画面サイズの制限がないのでAutoWebは画面サイズの制約を
超えた5250ストリームを生成しています。
AutoWen/2.0ではさらに画面拡張を検討しています。

■ SFLレコードの画面はスクロール・バー表示になりますか?

この質問もよくIBMユーザーから起こっていたのですが
ロール・アップしていないのだから次の画面のデータは来ていないので
スクロール・バーによる表示はできませんといつも回答していました。
(ただし SFLEND(*SCROLL)の場合はスクロール・バーを表示します)
しかし最近になってFacebookなどの画像の動きを見ていると
まず初めからスクロール・バーが表示されていて次にスクメール・バーを
最下部まで下げるとロール・アップ命令がサーバー・サイドに伝わり
次のデータが送られてきてスクロール・バーによるスクロールが可能になることを
知りました。
しかしIBM iの場合は画面単位でスクロールするのでデータを保持しての
スクロールはかなりの工夫を必要とします。
そこでSEに相談して何とかスクロール・バーによるスクロールも可能なように
機能を追加してもらいました。
表示の場合はスクロール・バーの実装も簡単でしたが更新が伴う場合は
SFLRRNとの一致などの問題もあってJavaScriptの対応がかなり難しいものとなりました。
この原稿を書いている段階ではまだ開発中の段階です。

SFLレコードが任意のスクロール・バーになればGUI化は本当に自然なものとなり
IBM iユーザーはAutoWebによるWebフェーシングの利点を大いに享受することが
できるようになるでしょう。
同時に画面をそのままHTMLにしただけの海外輸入製品とは大いに差をつけることが
できます。
5250画面をそのままHTMLにしただけの海外輸入製品ではまるで紙芝居です。
かたやスクロール・バーも使えるAutoWebとなると生き生きとWeb化の効果を発揮して
IBMのエンド・ユーザーも快適な画面操作を楽しむことができるようになることでしょう。

■ 画像データはIFSだけなく社内のWindowsサーバーに配置することができますか?

画像などのデモをご紹介すると必ず出てくるのがこの質問です。
やはりIBM iのHDDは高価であるのとFtpでアップロードしなければならないので
扱いにくいというのがその理由のようです。
IBM iには QNTCという名前の特殊なディレクトリーが存在します。
この QNTCはこれを突き抜けて社内のネットワーク経由で他のWindows, UNIXサーバーの
共有ファイルを参照することができます。
参照するWindowsではHTTPサーバーなどを起動する必要はありません。
答えはWindowsサーバーのファイルも参照することができます。

… AutoWebに関するご質問はまだまだありますので次回も引き続きご紹介します。