社長ブログ

19. 小柴さんを偲ぶ

先日(2020年11月12日)東京大学のノーベル賞受賞の物理学者小柴昌俊氏が
お亡くなりになりました。
カミオカンデの創立者でニュートリノを発見した功績で
ノーベル賞を受賞されたことはつとに有名です。

氏は生前には「考えて考えてまたさらに考えるのです」と
語っていたことがとても印象的です。
私はニュートリノの功績は偶然であったとか
聞いたことがありますが氏のこの言葉に代表されるように
ニュートリノの存在を思いついてさらに実証するまでの
道のりは大変なものだったろうと思います。
建築家の安藤忠雄氏も「寝ていても考える」と言いますが
これも当たり前のことでそれでも難問は容易には
解けません。

私自身、現在オブジェクトの解析に取り組んでいますが
実は毎日壁にぶつかっています。
解けた!と思っても15分もすればまた別の壁が
立ちふさがります。
しかも到底解けるような壁ではなく唖然として
しまいます。
繰返しいろいろな角度からの解析を試みても
容易に答の想像はつきません。
それでも何日か同じ問題に取り組んでいると
別の視点から光が見えて問題が氷のように
解けるときがあります。
それでも15分もすれば別の到底解けそうも無い壁が
再び現れます。
ミリ単位というより1/1000ミリの単位でしか前には進みません。
現在わずか4000ステップ強のRPGプログラムの開発に
2月以上かかっているのです。
いかに遅いのかおわかりでしょう?

エジソンは1000回の失敗があっても1000通りの駄目なケースを
実証できたのだと言いましたがこれは論理的ではなく
当たりごめんでやり散らかすという到底科学者の発想では
ありません。
事実、エジソンは直流を強引に政治的にも主張して
大失敗して汚名を残しました。

私達の仕事は論理的に物事を類推していくことが
仕事であり素晴らしい仕事です。
IBM iの情報システム室に従事しておられる皆さんは
大変素晴らしい仕事の機会に恵まれています。

考えることを仕事にしているというこれ以上ない
面白い仕事に従事しておられるのです。

世の中にはいろいろな仕事があって代替できる場合も
多いはずです。
しかし皆さんのお仕事は他の人に代替することはできません。
あなたしかできない仕事をしておられるのです。

小柴さんはやり残したと思っておられると思いますし
もっともっと考えることを楽しみたかったはずです。

どうか皆さんも考えることを楽しんでください。
IBM の社是もたしか

THINK

でした。
もっともっと考えましょう。
止まるのではなく考え続けましょう。
もうこれ以上はわからないと諦めてしまったらそこで終わりです。
壁と思っても考え続ければ次の道は必ず開けます。
考え続けることに意味があるのです。

2020年11月20日