SpoolライターVer5.0

82. 直接印刷するための解決方法(4)

直接印刷の問題を先に4つ挙げて紹介した。

1. 特殊なPDTをカスタマイズしている場合
2. PDF印刷ができないプリンタ
3. 日本語フォントが少ないプリンタ
4. 日本語フォントが全く搭載されていないプリンタ

の最後の「4. 日本語フォントが全く搭載されていないプリンタ」に関する場合が
最も問題である。
PDFにいくらフォントを指定しようにも相手先のプリンタに日本語フォントが
全く存在していない場合はどうしようもない。
日本語を印刷したのてもフォントがないのだからフォントを表示することができないのである。

このケースのために㈱オフィスクアトロではPDFに対する「日本語フォントの埋め込み」機能を
開発した。
これはPDFに日本語フォントを埋め込まないと解決しない。
ところが最近ではプリンタの価格を安くするために日本語フォントの搭さのないプリンタが
数多く出回っている。
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日本語フォントのないプリンタであってもWindows経由で印刷するのであれば
Windowsのプリンタ・ドライバーがWindowsに搭載されているフォントを参照してくれるので
問題なく日本語を印刷することができる。
ところがIBM iからの直接印刷となると話は別でIBM i上にはMSゴシックやMS明朝などは
存在していない。
実はAFP用にi5/OS Ver7.1~7.4では43.追加のフォントというのが
どのIBM iにも事前に導入されていて使うことができるのだがPDFにフォントを
埋め込んでやる必要がある。

i5/OS のCPYSPLFでも印刷スプールをPDFに変換できると市販の他社製品ソフトでも
スプールをPDF化するものは売られているがPDFにフォントを埋め込むような機能を持った
製品はない。
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弊社のSpoolライターVer5.0でもそのような機能はもちろんなかったので
Adobeなどの公開仕様に基づいて開発することにした。

しかしこの開発はやさしくはない。
ここでは英文の仕様などくわしいことは書かないが海外製品でも
PDFへのフォントの埋め込みの機能を有する製品は今後も出てこないだろう。

この原稿を執筆中もまだ開発途上であったがXeroxやCanonの印刷成功に続いて
brotherでも正常印刷に成功した。

これによって日本語フォントの搭載の全くないプリンタにでも
SpoolライターVer5.0を使って日本語を正しく印刷できるようになる。
これが「4. 日本語フォントが全く搭載されていないプリンタ」に対する解決方法である。
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今後、10年以上はSpoolライターVer5.0に追いつける製品は出てこないであろう。
それほど先進の機能であることは間違いない。
IBM iからの直接印刷を実現するにはSpoolライターVer5.0による
選択肢以外はない。