SpoolライターVer5.0

68. 直接印刷をするには

IBM iから複合機やプリンタへの直接印刷を望む声が
再び多くなっています。
_

IBM iに直結するプリンタと言えば5577系のIBMの
プリンタなのですが今、多くのプリンタが
市販されて出回っています。
一番身近にあるのは複合機です。
昔はコピーしかできませんでしたが今ではプリンタとして
使うことができます。
そこで複合機もプリンタとして使うためには
5250エミュレータにプリンタ・セッションを
定義しなければなりません。
プリンタ・メーカーや複合機メーカー用の
PDTと呼ばれるプリンタ・ドライバを選択すれば
複合機にも印刷できるのですが
バー・コードやAPW罫線を印刷しようと思うと
PDTをカスタマイズしたりRPGでプリンタ・メーカー用の
印刷ストリームを出力したりしなければなりません。
あるいはプリンタにメーカーが用意した5250専用カードや
ソフトウェアの導入が必要になる場合もあります。
このようにプリンタ・メーカーに対応して印刷するには
かなりのコストや面倒な手間がかかります。
プリンタの台数を増やしたり他の安価なプリンタを
使いたくても付加のためのコストが莫大になります。
これでは5577系プリンタを廃止して国産の安価な
プリンタで印刷しようとした最初の目的からは外れてしまいます。
つまりプリンタ・セッションを構成することは
コストがかかっておまけに複雑な構成になってしまいます。
_

■ 直接印刷に代えたい

 そこでブリンタ・セッションを廃止して
ソフトウェアによってIBM iからの直接印刷に代えたいという
要求が出てきます。

■ IBM iで直接印刷するには

IBM iにも直接印刷するための機能は用意されています。

LPRコマンドが直接印刷のコマンドです。

LPRとはUNIX系のコマンドでありIBM iにもIBMによって
提供されています。
LPRコマンドで確かに複合機やレーザー・プリンタにも印刷することが
できます。
ほとんどのプリンタでもLPRに対応しておりLPDサーバーが
起動して待機しているからです。
_

よく市販の印刷ソリューションで「複合機に印刷できます」と
唄っているものがありますが大抵はIBMのLPRマンドを利用しているに
過ぎません。

それではIBM iのLPRコマンドではなぜいけないのでしょうか?

・LPRドライバがない

… IBM iでの印刷はSTRPRTWTRでOUTQをライターと呼ばれる装置に
関連づけて印刷の開始を命令するのですがこのライターと
呼ばれる装置(*DEV)は技術的にはプリンタ・ドライバですが
LPRとなる装置を定義する機能までは用意されていません。
    OUTQと関連づけることはできますが
従来のように一般的に使用されている装置は
定義することはできません。
従ってSTRPRTWTRとしてOUTQに投入したスプールを自動的に
LPRで印刷させるという処理はできないのです。
    今までの処理とは馴染めないことが
    IBM のLPRが使われない原因かと思われます。

・LPRでは複合機の印刷指定はできない

LPRはUNIX系初期の単純な印刷プロトコルであるため
現在の複合機に対して様々な指定をすることができません。
    複合機に印刷するのであれば

・用紙サイズ
・印刷方向
・用紙トレイ
・両面印刷

などを指定したいものですがLPRにしそのような指定をできる
仕様はありません。

・LPRでPDFの印刷はできない

_

IBM iにはCPYSPLFでIFS上にPDFを生成する機能が用意されましたが
IBM iのLPRコマンドではIFSのPDFを印刷することはできません。
( SpoolライターVer5.0のLPRコマンドであればスプールをPDF化して
SpoolライターVer5.0のLPRコマンドで印刷することができます。)

■ 直接印刷するのであればIPP印刷

LPR印刷の進化形としてIPPという印刷プロトコルがあります。
IPPであれば

・用紙サイズ
・印刷方向
・用紙トレイ
・両面印刷

をもちろんすべてサポートしていますしスマートホンやタブレットからの
無線によるAIR PRINTという印刷も可能になります。
もちろん複合機だけでなくIPPをサポートしているすべてのプリンタで
このような指定で印刷することができます。
直接印刷と言えば IPP + PDF対応プリンタが直接印刷の要となります。
これからはIPPプロトコルを強く意識してください。

■ IPP印刷をサポートしているのはSpoolライターVer5.0だけです

このように考えていくと直接印刷するのであれば印刷プロトコルは
IPPを選択すべきであることがわかります。
しかしIBM iのi5/OSは IPP印刷プロトコルはサポートされていません。

IPP印刷をサポートしている製品は
SpoolライターVer5.0 だけです。
_

 ※もちろんSpoolライターVer5.0ではLPR印刷もサポートしています。
SpoolライターVer5.0でのLPRでSTRPRTWTRで印刷を開始することもできますし
PDFをSpoolライターVer5.0のLPRで印刷することもできます。
しかし複合機やプリンタの特性を最大限に活かすにはやはりIPPを使うことを
お奨めする次第です。

■ 技術ショート・セミナーで

SpoolライターVer5.0は早くからIPP印刷をサポートしており
IPP印刷ドライバーやLPR印刷ドライバーも印刷装置(*DEV)として
定義することができます。
従って操作はこれまでと同じように STRPRTWTRコマンドによって
OUTQとライターを結びつけて開始することができます。
操作はこれまでと同じやさしい操作となります。
  IPPコマンドやLPRコマンドの使い方も学習することができます。

IBM iのLPRコマンドも併せて直接印刷の設定の方法から
運用までをWeb会議形式のオンライン・セミナーで
くわしくご説明を予定しています。
_

セミナー開催は2023年4月20日(木) 14:00~14:30 定員35名 受講料は無料です。

お申し込みは今すぐこちらからどうぞ。

  …この種のセミナーはお申し込みが多く予想されます。
満席となり次第お申し込みもクローズされますので
お早めにお申し込みください。