社長ブログ

42. 動かないツール

昔、日経コンピュータで「動かないコンピュータ」という
記事を毎月載せていて苦々しい思いで眺めていたのですが
そのせいもあってか日経コンピュータの評判は逆に
落ちてしまい今では購読しているユーザーもほとんど
いなくなってしまいました。

これと似た話になるのかも知れませんが 
先日、あるIBMユーザーから引き合いがありました。
AutoWebの説明とデモを見たいということでした。
話を聞いてみるとこのユーザーは実にいろいろな
製品やツールを使っていていずれも失敗しているのです。

■aXes

ご存知、評判のよくないaXesも使える場面が
ほとんどなくXボタンや戻るボタン問題を抱えているので
通常の業務にはほとんど使えないということでした。
  RUNRMTCMDも使えないということである。
もちろん複数セッションも端末名も設定できないので
一般の業務には全く使えないということである。
  aXesの悪評判はこのユーザーだけでなく他でも
業務には使えないということで評判はかなり悪い。
  買って動かないツールの代表のような製品です。
またこのベンダーは社長と社員が喧嘩して
別れてしまったので有名な会社でもあります。

■Valense

開発が簡単だと言われて購入したが実は
使える場面はDFUより少しマシなマスター保守くらいしか
使えないし開発の手間と工数が大変であると
いうことでした。
Valenseを契約しているユーザーはほとんど見かけませんが
開発効率が悪く汎用性もないことが今回のユーザーの
意見でよくわかりました。

■GeneXus

特約店のJBCCから薦められているのがこのGeneXusですが
何といまどきにWindowsが別に必要であるということです。
PDF化の製品で技術者の技術不足のために別途Windowsサーバーを
必要とする製品が多いのだがそう言えばやはりWindowsを
必要としか姫路の会社のツールはほとんど消えてしまいました。
今どきWindowsが必要というのは20年前の時代の話です。
 Windowsの使用を避けているこの時代に古すぎます。

…このユーザーの不満はどのツールを使ってもすべての業務を
Web化できる製品はなかったということです。
このユーザーからの質問で驚いたのは

「AutoWebですべての業務がWeb化できますか?」

  という質問が出たことです。

AutoWebはWebフェーシングなのですべての画面が
Web化されるのは当たり前なのですがこういう質問ができるのです。
  つまりこのユーザーはもう三つのツールの不信感
陥ってしまっていることなのです。
  これらのツールは買ったはいいが使えない失敗の経験でした。
  だからツールというのは使うことができるのは
ほんの少ししかないと思い込んでいるのです。
  ツールとは動かないものだという固定観念に
陥っているのです。

悪名高いこれらの製品は開発工数の割には実用面で
動作しなかったり買ってからいろいろな不具合が発見されるのは
売り手のディーラーはわかっているはずなので
業者としての良心の呵責を感じないのだろうかとさえ
思ってしまいます。
海外からトラブルの多い製品を輸入してあまり知識のない
ユーザーに押し付けてはかりいる商売は
いつまでも続けらるビジネスではありません。
  日本では他社製品への批判は嫌われるようですが
これはあまりにひどいので実名を公表させて頂いたような次第です。
  もうこれ以上被害は増やしたくないのです。

しかし一方でこのユーザーも残念なことに理解力と決断に
少し乏しいところを感じました。
説明してもなかなか理解してもらえないのです。
売り手の道義的責任はもちろんあるのですが
買い手としても販売実績はどれくらいですか?とか
  社員は何人くらい?売上高はどれくらいですか?などと
他人の財布の中身を平気で聞いてくるような人が多いのです。
そんなお客さまに限って値切り交渉をしたがります。
ご自分で判断できないのでこういうことを聞きたがるのです。
しかし私たちはそういうお客さまとは距離を置くようにしています。
 
優秀な理解力あるユーザーは製品を見て正しく自分の力で
判断するものです。
人の財布の中身を教えてくれというような人はいません。
お客さまが製品や私たちを見ているように私たちも
お客さまをまた見ているのです。

やはり競争力に優れた優秀な会社の方は製品を見る目も
確かですし決断力にも優れています。
  鋭い指摘をされる方も少なくはありません。
私たちが優秀でなければならないのは当然ですが
お客さまもまた優秀に成長して欲しいと願っています。
間違った投資はして欲しくないのです。

正しい真贋を見極める目を持って駄作な製品には
目を向けないような優秀なユーザーとして成長して頂きたいと
  願っています。
ともに望ましく成長していきたいものです。