社長ブログ

11. 盛夏2020年

2020年の日本の夏もお盆を迎えました。
本来なら東京オリンピックで盛り上がっていたはずの夏です。
誰がこのような夏を予想していたでしょうか?
しかし実は2019年12月30日には米国のあるAIは
パンデミックになることを既に予想して警告していたとの
ことです。
WHOがパンデミック宣言をしたのは2020年3月のことですから
AIは新型コロナの発生とほぼ同時にパンデミックを予想しており
そのときに危険になる都市として東京・大阪を挙げていました。
今やAIがこぞって今後の予測を計算しています。
その中でもジョン・ホプキンス大学でのダッシュボードは
最新の情報の集約場所としても有名ですがこれは
ジョン・ホプキンス大学の中国からのたった一人の大学院生が
しかも一晩で作り上げたダッシュボードです。
WHOが作ったものより3日早かったらしいです。

感染率の予測にしても最も的中率の高かったのも
中国からの留学生が上海の実家で米国へ戻れなくなって
しまって上海で一人で作ったAIモデルです。

しかし残念なことにこのAIモデルでも1年後の東京オリンピックが
開催可能かどうかまでは予測できていません。

私たちの関心は今後のビジネス形態の推移です。
今、失業率は 2%ですが潜在的なものを入れると既に 4%超であり
年末には失業率は 11%にまで落ち込むと言われています。
例えば旅行業界に向けて政府はGoToキャンペーンなるものを
行っていますが政府の経済対策とは

 ・マスクを無償で配る。
・一人に10万円の給付金を配る。
・GoToキャンペーンで旅行代金の一部負担

と、たったこれだけのしかも子供の発想なような対策です。
緊急国会も開く様子もありません。
無為無策に陥っています。

コロナは残念ながら今後もしばらく数年は続きそうですし
続くものとして考えねばなりません。
旅行業界は海外からの旅行客を当てにしすぎで膨らんでいましたので
収縮するのはやむを得ないでしょう。
収縮する業界にいくら予算をつぎ込んでも延命策でしかありません。
特定の業種にだけ支援しても経済全体が復旧するわけではありません。
飲食業界も同様です。
この辺は政府も感覚だけで政治をしているように思えてなりません。

しばらくは旅行業界も飲食業界もビジネス規模は大幅に落ち込んだままに
なるでしょう。
一番影響の少ないのは私達のIT業界に見えますが
ただしIT業界の中でも受注開発をビジネス・モデルとしている
ソフトウェア・ハウスやWebデザイン業界、転職ビジネスの業界も
大幅に落ち込んでいます。
Webデザイン業界は飲食、理美容などの町の個人営業を収入源としており
転職ビジネスも既に求職がほとんどありません。
これまで関西圏でもつねに40~50件ほどあった求職案件はすでに3~4件と
落ち込んでいます。
求職がゼロになるのも時間の問題です。
いくつかの大手転職ビジネスの企業も今年中に倒産となるのが
眼に見えています。
Webデザイン業界も需要以上に膨らみすぎました。
大手広告代理店からの下請け、孫請けのデザイン会社は技術力もなく
仕事を探す力にも欠け自然淘汰されて数は大幅に減少するでしょう。
ITで一番弱く既に失業者が増えているのはこの業界です。

IBM業界はどうでしょうか?
IBM i の開発案件はアプリケーション開発は死語と言っていいくらいに
落ち込んでいます。
エンド・ユーザーの会社に常駐している会社は健在で今後も
続くと思われますが新規アプリの開発をメインにしているところは
難しくなります。
既にそのような会社はなく保守が中心となっているはずです。
バブル絶頂のときは開発案件が目白押しでした。
ソフトウェア・ハウスは高額な開発案件で潤っていたのですが
今はそんな話はなくビジネス・モデルもすっかり変わってしまいました。

さてソリューション・プロバイダーと呼ばれるSI業者はどうでしょう。
SI(=System Integrater)と呼ばれる業種は海外からソフトウェア・パッケージを
買ってきてIBMユーザーに販売するだけでなくそのパッケージを使っての
開発を請け負うというモデルです。
このモデルももはや成立しなくなっています。
Web化ではなくやはり5250エミュレータを手をかけずにGUI化できる
Webフェーシングが普及し始めたからです。
高額な投資は敬遠されるようになりました。
ご存知のようにAutoWebのようにRPGだけで十分Web開発ができるように
なったからです。

さて今後はどうなるのでしょうか?
受託開発よりは社内保守中心に開発は移行します。
既にそうなっています。
5250エミュレータやPDF化などの印刷もリッチで高機能な製品に
移行して一人の生産性が重要視するようになります。

このような時代にはかえって新しい変革が必要となり
同時に受け入れられるようになります。
中国では既にAIによる自動化や監視なども一部の日常生活に
入り始めています。
計画されていたAI化は前倒しで急激に普及されています。

半年もして東京駅に行くと環境はすっかりIT化されているかも
知れません。
日本の特質を考えると劇的な変化は少ないかも知れませんが
確実に次の変革が必要な時代になってきています。

このIBM業界においてもエミュレータの見栄えや機能が
向上した程度のものではなく驚くほどリッチな方向へ
シフトする必要があります。
それがどの程度のものなのか私にもまだわかりません。

夢のような機能でも皆さんの希望があれば
ぜひ聞かせて頂きたいと考えています。
2020年の暑い夏が転換期になったと後から言えるように
なりたいものです。

– 2020年8月15日 –