社長ブログ

44. RFIDとは

あなたは最近、ユニクロの店で買い物をしましたか?
最新のユニクロの店では店員はいるが
その店員はレジ操作はしない。
何のために店員がいるのかというと
万引きを見張るためだけらしい。

レジに行くとまた驚く。
バー・コードを読み取って支払いするのかと
思いきや商品を積み重ねただけで合計の支払金額が
わかってしまいます。
支払いの手間は大幅に減りレジ待ちに人が
並ぶこともなくなっています。

おまけに万引きしようものならたちまち店員に
見つかってします。

これを可能にしたのがRFIDというICタグです。
この驚くべき機能をこれからご紹介しましょう。

RFID(=radio frequency identification)とは
無線でICタグからの発する電波を読取る仕組みのことです。
それまでのバー・コード・リーダーでは
印刷されたハー・コードを読んでいたのですが
RFIDでは商品に埋め込んでいるICタグから発する電波を
読み取ってRFIDリーダーが合計金額を計算する仕組みです。
このICタグはわずか5~10円程度。高いものでも35円までです。
ガンで書き込み読取りが自由にできます。

これは人手でバー・コード・リーダーが読取っていたのに
比べて楽になったという程度ではありません。
RFIDリーダーというガンで積み重ねてある商品を
右から左へと軽くスキャンするだけで
アッという間にすべて読み取ってしまうことが
できる優れ物です。
つまり在庫の山にガンを振ってかざすだけですべて読取ることが
できるのです。
一品ずつバー・コード・リーダーのように読取る必要はありません。

だから在庫の棚卸しがアッという間にできてしまうのです。

■ひと振りするだけで棚卸し在庫をまとめて読取り

昔は棚卸しタグをIBM iから印刷出力してそれを現場で
在庫確認してタグに在庫数を手記入して
棚卸しタグを回収してそれを手入力して
在庫計算するという途方もない手間が必要でした。

RFIDを利用するとすべてにICタグが貼られた商品が保管されている倉庫に向かって
RFIDリーダー・ガンをかざしてひと振りするだけですべての在庫数を正確に
数秒で読取ることができます。
 つまり複数の在庫を一度に読取りことができるのです。
ひとつひとつ手動で読取っていたバー・コードの読取りよりは大きな進化です。

■隠れている在庫もOK

目検で確認すると商品棚の奥のほうに隠れている商品を
見逃してしまうかも知れませんがICタグであれば
隠れている在庫も見逃すことはありません。
隠れていてもICタグは電波を発生させているので受信できるのです。

■汚れや文字の誤判別もなし

タグが汚れていても電波なので読取りには支障ありません。
手記入による誤判別も起こりません。手入力による入力ミスもありません。

■在庫管理のコストを削減して正確な管理が可能

何より棚卸しのために店を閉めたり棚卸しのための
人的コストが大幅に削減されるばかりか
管理も正確になります。

■バー・コード管理の上を行く次世代の物品管理

バー・コード・ラベルを発行して自社の在庫管理をしていたのであれば
RFIDは間違いなく次世代の管理です。
人手を減らしコストを大幅に削減ししかも正確な在庫管理を
可能にします。
RFIDリーダー・ガンをかざすだけで在庫を読取れるなんて
科学の進歩には驚くばかりです。

■レジの無人化や万引き防止にも

 先に紹介したユニクロのようにセルフ・レジやレジの自動化も実現できます。
万引き防止にも熟練のGメンでなくても万引きを防止することができ
しかもその防御率は100%です。

■無人スーパーになるまでには時間がかかる?

自社でバー・コードを発行しているような管理体制があればいいのでしょうが
多用な商品を扱っているような倉庫管理やスーバー・マーケットでは
すべての商品にICタグをつけることができないため
ICタグの普及には時間がかかるかも知れません。
しかし現在のスーパーでもバー・コードのない商品はほとんどありません。
ICタグが急速に普及すれば無人レジのスーバーが増える日も遠くないはずです。
その頃は無人コンビニも普及しているでしょう。
バー・コードをスキャンするということでレジ作業は大幅に軽減化されましたが
RFIDが普及すればそのレジの人間すら不要になってしまいます。

■次世代の在庫管理はRFIDです

問題はRFIDで集計した在庫をどのようにIBM iに集計するかです。
RFIDメーカーはホスト・コンピュータの知識に欠けていて
まだこの点は未開発です。
それどころか大半のRFIDにはユーザーによる開発がいまだに
必要なのです。
どういうことかと言うとRFIDのデータ管理の統一規格はまだ
なく各RFIDメーカーが勝手にせいぜい.dllを作成したので
これを使ってユーザーで開発してくださいと
せいぜいSDKキットを提供するだけです。
これがRFIDが普及しない原因のようです。

■ RFIDはなぜ普及しないのか

RFIDメーカーの技術的な関心は専ら無線通信の部分だけで
ユーザーの興味はどうやってデータを集約するかなのですが
RFIDメーカーは自分のことにしか関心がないようです。
自分の製品の動作原理は饒舌に説明していますがいざユーザーが
どのようにデータを収集すればよいかとなるとどのメーカーも
急にトーン・ダウンしてしまいます。
RFIDメーカーの技術力は電波の受信のところまでで肝心のデータの
集計のところになるととんとOAの知識や技術がありません。
一方でデータを集計するIBM iを含むホスト側の技術者も通信の技術や知識が
あまりありません。
今のところほとんどのRFIDメーカーは .dllの提供だけに
留まっています。

.dll(=Dynamic Link Library)というのはWindowsのオブジェクトであり
IBM iで言えばサービス・プログラム(*SRVPGM)に相当します。
.dllの利用はWindows上でしかできません。
.dllを参照できるのは C/C++またはC#だけです。
ExcelのVBAでもできる場合もあります。

.dllの前の通信プロトコルはほとんど公開されていません。
SDK開発キットを提供していてもサンプル・プログラムはなしと
平気で言っています。恐らくどのように作ればよいのか
RFIDメーカーにも技術力がないのでしょう。

.dllを提供してもらっても自社でVC++やC#を開発できる会社がどれだけ
あるというのでしょうか?
ExcelのVBAを使ってできないことはないのですが
そこからまた高い敷居が待ち受けています。
そのためRFID専用のソフト開発会社まで多数現れています。
ソフト会社による開発が必要なのであれば
海外輸入のWeb化製品が輸入ベンダーによる開発が必要であるのと
同様にコストと時間がかかってしまいます。
だからRFIDは普及しないのです。
このあたりを見るとRFIDメーカーがいかに独りよがりであることが
わかります。

しかし最近では無線LAN対応という会社もようやく出てきました。
LAN対応という限りでは通信プロトコルも公開されている可能性が
ありますので調べてみたいと思います。
LAN対応というのは通信プロトコルがあるので
WinサーバーでなくてもIBM i上にサーバーを建てれば
(もちろんこれも開発が必要なのですが)
IBM iに直接無線データを取り込むことができます。
IBM iはLANに繋がっていますので無線LANであっても
送受信が可能になります。

 またRFIDリーダーはPCのUSBへ出力できる機器もあります。
IBM iにもUSBポートがありますがこれはほとんど
役に立ちません。
このあたりの対応もIBM iは遅れています。
RPG/COBOLでUSBポートを装置(DEV)として認識できるように
してもらいたいものです。

さてRFIDメーカーは星の数ほどありますが
ユーザーにもわかるような的確な説明をしている会社はほとんど
ありませんのでIBMユーザーが調べても難しいと思います。

■ IBM i対応はインターフェースが重要

なるべく品質に優れていて技術力のあるメーカーを探して
IBM iとのインターフェースを作るしかありません。
 デンソー・ウェーブやキーエンスもRFIDリーダー・ガンを
販売していますがLAN対応はまだできていないようです。
無名メーカーですと品質の問題とメーカーが短期間で
倒産したりすると保守に支障を来たしますので
しっかりした会社を選びたいところです。
IBM iのソフト開発会社やもちろん海外のソフト会社では
IBM iとRFIDとのインターフェースを開発するのは困難と思われます。
日本IBMや米国IBMにもRFIDソリューションはありませんでした。
しかし科学の進歩は素晴らしいと思います。
RFIDの爆発的な普及はまちがいありません。

RFIDが次世代の在庫管理ツールになることは
まちがいありません。

㈱オフィスクアトロにRFIDの相談が持ち込まれるのも時間の問題です。
㈱オフィスクアトロが開発するしかないようです。