IFS には NetServer と QNTC という機能が用意されている。
NetServer とは STRTCPSVRで開始されるTCP/IPアプリケーションのサーバーのひとつであり
Windowsからの共有サーバーとなって Windowsからの共有ファイルや共有プリンタの機能を
IBM iが提供する。
例えば IBM は IBM i の5577印刷装置(プリンター)が Windowsの共有プリンタとすることが
できると紹介している。
しかし高価な5577系プリンタをWindowsの印刷に使うニーズはほとんどないだろう。
そんなわけで NetServer の利用はあまり聞いたことがない。
IBM i ————(/QNTC)————————-> Windows
<-----------( NetServer )----------------
QNTC: IBM i がWindowsのファイルを利用する。
NetServer : Windowsが IBM i のファイルやプリンタを利用する。
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一方のQNTCはどうだろう。
QNTC は /QNTCという名前のIFSのディレクトリー(DIR)であって
ここからはネットワークに接続されているWindowsの共有ファイルに
アクセスすることができる。
例えばあるWindowssデスクトップのファイルに共有をかけておいて
IBM i と同じユーザー、パスワードをそのWindowsに登録しておくと
IBM i からその共有ファイルをアクセスすることができるようになる。
よく利用される例としては社内のWindowsサーバーに画像ファイルだけを
保存しておいて IBM i のWebアプリケーションからその画像ファイルを
アクセスするという利用方法である。
( 14. QNTCで他のPCサーバーにアクセス )
さてこれらNetServer と QNTCに共通しているのはどちらもSMB(または CIFS)
という通信プロトコル(=ブロトコルとは通信の手順のことである。)
を利用しているという点である。
SMB(=Server Message Block) というプロトコルは Microsoftによる
外部との共有のためのプロトコル(通信手順)である。
Windowsを嫌っているかに見えるIBMであるが外部との通信手段のひとつとして
このように徐々にWindowsとの通信を図っている。