ネットワーク

72. CFGTCP 1. TCP/IP インターフェースの処理

通信というと苦手意識のある人が多いと思うが
ここからはしばらくIBM iの通信関係のコマンドの学習をしてみよう。

まず初めに CFGTCPというコマンドはUNIXのコマンドであり
IBM iでもわかりやすいように同じ名前のコマンドを使用している
このような例は多くPINGやFTPコマンドなどもUNIXから派生している
コマンド名である。

さてCFGTCP +[実行] では次のようにメニューが表示れる。

[ CFGTCPの画面表示 ]

CFGTCP                          TCP/IP の構成                                  
                                                         システム :   Sxxxxxxx 
次の中から1つを選択してください。                                             
                                                                               
     1. TCP/IP インターフェースの処理                                          
     2. TCP/IP 経路の処理                                                      
     3. TCP/IP 属性の変更                                                      
     4. TCP/IP ポート制約事項の処理                                            
     5. TCP/IP リモート・システム情報の処理                                    
                                                                               
    10. TCP/IP ホスト・テーブル項目の処理                                      
    11. TCP/IP ホスト・テーブルの組み合わせ                                    
    12. TCP/IP ドメイン情報の変更                                              
                                                                               
    20. TCP/IP 適用業務の構成                                                  
    21. 関連テーブルの構成                                                     
    22. POINT-TO-POINT TCP/IP の構成                                           
                                                                               
                                                                               
選択項目またはコマンド                                                         
===>                                                                           
                                                                               
F3= 終了   F4= プロンプト   F9=コマンド の複写   F12= 取り消し                    

今日はこのうち「1. TCP/IP インターフェースの処理」を洗濯してみると
次のように表示される。

                         TCP/IP インターフェースの処理                         
                                                          システム :   Sxxxxxxx
 オプションを入力して,実行キーを押してください。                              
   1= 追加   2= 変更   4= 除去   5= 表示   9= 開始   10= 終了                  
                                                                               
                                                      回線                     
 OPT  IP  アドレス     サブネット・マスク        回線記述    タイプ                    
                                                                               
      127.0.0.1        255.0.0.0        *LOOPBACK   *NONE                      
      192.168.1.9      255.255.255.0    ETHLINE     *ELAN                      
      218.44.135.xx    255.255.255.248  ETHOUTLINE  *ELAN                      
                                                                               

[解説]

「TCP/IP インターフェースの処理」というのは外部の回線に接続するLANカードへの
接続を示していると考えればよい。

最初に

127.0.0.1 255.0.0.0 *LOOPBACK *NONE

というのはLOOPBACKと呼ばれる自分自身への接続のことである。
つまりIPアドレス: 127.0.0.1 とは自分自身を指すIPアドレスであることを
覚えていて欲しい。
回線テストなどを行う場合にも利用することができる。
LOOPBACKの場合は回線タイプが*NONEであることが示すように
LANカードは何も接続されていない。

これに対してこの表示では ETHLINE と ETHOUTLINE に *ELAN が
示されているようにLANカードが接続されていることになる。
ETHLINE と ETHOUTLINE のふたつのLANカードがあるのは

 ETHLINE : 構内の社内向けへのネットワーク接続

ETHOUTLINE : 社外へのインターネット・ワークへの接続

を示している。
ETHLINEは社内向けのLANカードでありIBM iのIPアドレスは
192.168.1.9 である。
この192.168.xxxx という型式のIPアドレスは構内用のIPアドレスであって
外部からはこのIPアドレスを使って侵入することはできない。
これはTCP/IPのむ規格であるのでどんな強力なハッカーが頑張ってみても
ローカル・アドレスで侵入することは不可能である。

このIBM i はインターネットにも接続されておりそのLANカードが
ETHOUTLINEである。
IBM iをインターネットに接続するのは簡単で構内LANカードとは別に
もう一枚のインターネット接続用のLANカードをこのように
接続してそこにプロバイダーから割り当てられたグローバルIPを
割り当てればよいだけである。
ここでのグローバルIPは

 218.44.135.xx

である。(xxは伏字)
これはインターネットに公開されているグローバルIPであるので
外部からは世界中のどこからでもこのIPアドレスで
このIBM iに接続することができるようになる。

㈱オフィスクアトロでは3台のIBM iにグローバルIPを割振って
20年以上インターネットに公開しているが侵入されたことは
一度もない。