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288. 国際言語対応の開発 (4)

CRTMSGF MSGF(CHINALIB/USRMSG) AUT(*ALL) CCSID(935)

でメッセージ・ファイルを作成してこれに中国語の用語を登録すれば
表題や欄見出しを中国語として表示することができる、ことまでは説明した。

それでは「中国語を登録する」と言っても大半の技術者は中国語を知らないし
登録の方法もわからないはずである。

ここで紹介するのは日本語の用語を簡単に中国語に翻訳する方法である。
Google翻訳 を使えば中国語の知識がない人でも
比較的簡単に日本語を中国語に翻訳することができるのである。

最初に Google翻訳 ( https://translate.google.co.jp/?hl=ja ) を起動してみよう。

左の翻訳元の言語は「日本語」を選択しておき、右の翻訳先の言語は「中国語(簡体)」を
選択しておいて日本語に「システム」と入力すると
右の翻訳結果には「系統」という文字列が表示される。

後は「系統」という文字列をコピーして ADDMSGID の画面でペーストして
貼り付ければ中国語の登録が完成する。
意外と簡単ではないだろうか ?
この方法であればどのような言語にでも翻訳できそうな気がするが
話はそんなに簡単ではない。

例えば「F3=終了」について考えてみよう。
「終了」という日本語をそのまま中国語訳すると「結束」であるが
IBM は「F3=退出」と翻訳している。
つまり同じ日本語であっても使用される場面においては意味が違ってくる場合もある。
さらに IT 用語となると複雑である。
日本では外来語はカタカナで外来語の発音を真似て「オレンジ・ジュース」( Orange Juice )
のように音を表現しているが中国では音だけを表現するカタカナのような文字がないので
「ジュース」は「新鮮果汁」という意味のある中国語を新たに作成する場合が多い。
「ビジネス・センター」は「服務中心」といった具合である。
となると IT 用語は IT 用語を知っている中国人でないと
正しい中国語に翻訳することはできない。

中国人であるからといって IT 用語を含む日本語のすべてを
中国語に翻訳できるとは限らないのである。
翻訳に当たっては Google 翻訳で基本的な翻訳を行ってから中国の IT 技術者に
確認してもらうのが適切であろう。

「F12=前画面」は中国語では IBM は「F12=取消」と訳しているが
日本語でも以前は「F12=取消し」と訳されていたことがある。
しかし F12 は必ずしも入力の取消しとは限らないので
「F12=前画面」の方が適切であろう。
また「次に進む」は「下一歩」と表現し「前に戻る」は「上一歩」と中国語では
表記する。面白い表現である。

余談であるが「洗面所」も北京、上海、香港では表記が異なる。
特に香港の中国簡体字では男女の表記が
「雄」(オス)と「雌」(メス)とわかりにくいので
香港に行かれたときは注意が必要である。
おまけにドアも「押す」という表記ではなく
「雄」を使用しているので、ますますわかりにくい。
中国で英語でトイレの場所を尋ねる場合、RestRoom, MensRoom, WashRoom や
Lavatory ? と尋ねても全く通じないが
「トイレ」だけは万国共通語として通じるようである。

Panel-Worker Chicago という弊社製品にも中国語の名前がある。
「希高」( = 中国語の発音でシー・ガオ ) であり
発音は Chicago に似せていて
意味は「希望を高く」という縁起のよい名前となっており
IBM 中国用戸大会 ( 中国ユーザー大会 ) で公募して中国の人々に命名してもらった。