5733 OPSに梱包されているモジュールの中で
実は何とPerlも含まれている。
■ Webの世界を作ったのはPerl(パール)
Perlとは最初のスクリプト言語であると
思われるくらい古い。
Perlは1987年にラリー・ウォール(Larry Wall)によって
開発されたシェル・スクリプト言語であり
オープン・ソースとして公開された開発言語である。
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インターネットの世界では静的なHTMLを表示するのだけではなく
データ・ベースを動的にバインドして出力するニーズが
当然求められるようになった。
それに利用されたのがPerlという言語である。
Perlは後からリリースされたJavaScriptやPHPなどにも多くの影響を与えた。
JavaScriptがない時代にPerlはCGIを作ったので
創始者のラリー・ウォール(=現在70才)は神さまのようにあがめられて
有名になっている。
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Perlで動的に出力されたHTMLをC言語の標準出力を
リダイレクトする手法で出力結果をクライアント(=ブラウザ)
に戻していた。
このようにHTMLを出力してリダイレクトして戻すプログラムのことを
CGI(=Common Programming Interface)というが
PerlはたちまちCGIとして普及して世界中のHTTPサーバーの
出力の95%はPerlでできているとまで言われた時期があった。
IBM iのWeb化も最初はPerlなどの手法を真似てHTMLを印刷出力したスプールを
リダイレクトしてクライアントに戻すという恐ろしくアナログな手法であった。
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さてPerlを解説する O’REILLYの解説本は「ラクダ本」と呼ばれ
オープン系の必須アイテムになるほどで
O’REILLY(=オ・ライリー)はこの本で一躍有名になって今では
IT書籍のシリーズで代表的な書籍シリーズとなっているが
最初のヒットがこのPerlによるラクダ本であった。
オープン系ソリューションで動物がシンボルになったのも
このPerlによるラクダが最初であった。
京都議定書で有名な京都国際会館では3日間にわたる
Perlの国際会議が開かれてラリー・ウォールや
Ruby の日本人の創始者も出席した。
もちろん筆者もこの京都会議には出席した。
しかしこのころから「Perlはなぜ遅いのですか?」という
質問が出るようになりオープン・ソースとして
多くの人の手が入ったPerlは大きく重くなっていき
PHPやJavaScriptなどの台頭によって
今ではほとんど使われないようになった。
ろ
しかしPerlは今でもWebサーバーにしっかり残っており
多くのWebサイトでアクセス・カウンタがあるが
そのほとんど100%近くはPerlで作成されたものであり
サーバー移管のときにはPerlのバージョンが問題になるくらい
PerlはWebサーバーに残り続けている。
ロ
(株)オフィスクアトロでも昔はPerlのIBM iへの
移植を試みたときがあったが今ではPASE環境に
同梱されているということである。
( そのころはPASE環境はなかったのでPerlをIBM i上で
直接動作させることができなったが今ではPASE環境があるので
PORTINGなしで直接Perlを動作させることができる。
ただしIBM がPASE環境にPerlを同梱させたのはあまりにも
遅すぎた。Perlの時代はとっくに終わっている)
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Perlの価値は昔ほどではないがPASE環境があれば
世界のメジャーなアプリケーションもそのままIBM i上で
動作させることができるという話である。
