PASE環境

1. PASE環境とは

IBM の OS にはご存じのIBM i (=i5/OSやOS400とも呼ぶ)以外にも
汎用機の z/OS ともうひとつ UNIX互換のAIXというOSがある。
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Linux はフリーソフトのOSであり UNIXが商用のOSである。
このUNIX互換のIBM の商用 OSが AIXである。

■ PowerSystem は IBM i + AIX

PowerSystem というのはハードウェアとしての呼称であって
PowerSystem にインストールできるOSが IBM iと AIXである。
IBM iは元々 AS400と呼ばれていたハードウェアで
もうひとつはIBM UNIXを搭載していたRS6000 というハードウェアが
ありこれらが統合化してひとつのPowerSystemで
i5/OS(=IBM i)と IBM UNIXの AIXが搭載されたPowerSystemと
ハードウェアを共通化すねことになってコスト削減を図った。

そしてこのような経緯から IBM i(=i5/OS)には AIX互換のランライム版
すなわちAIXの実行環境も提供されておりこれが
PASE環境である。(= 5770-SS1 -Portable Application Solutions Environment )
PASE環境は導入が必要であると解説されているが
現在日本国内ではほとんどのPowerSystem にIBM特約店によって
プレインストールされているはずである。
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■ PASE環境は IBM i で使えるAIX環境

PASE環境はAIXのランタイム環境であるので
AIX上で動作するプログラムはそのまま変更せずに
PASE環境の上で動作させることができる。

IBM Knowledge Center ではPASE環境の概念はこのように
紹介されている。

■ 2つの OSが共存

つまりIBM iには i5/OS としてのライブラリー・システムと
AIX互換のPASE環境という2つのOSが存在しているような
ものである。

PASE環境は20年以上前にIBM iに導入されたのだが
IFSの利用は別としてもPASE環境そのものの
利用は普及していなかった。

■ PASE環境で IBM iのオープン化

しかしVer7.1に始まったオープン・ソース・プロジェクトから
ここに来てPythonが脚光を浴びてIBM iのオープン化ということになれば
AIX互換のPASE環境の利用を無視するわけにはいかなくなってきた。

古いライブラリー・システムだけに特化してきた熟練プログラマーにとって
PASE環境を苦手としている人も多いはずであるが
PASE環境を知れば実はIBM iは 20年以上前からオープン化の準備が
出来ていたことがよくわかる。
IBM iは古いと言いながらPASE環境の存在を知らない人は
20年以上前からIBM iがオープン化されているのを知らないだけである。

それでは不思議なPASE環境の世界にようこそ !!
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