PC5250/CA400

31. CA/400の転送記述の移行が難しいのは

ClientAccess (iAccess) のデータ転送記述(.TTO または .DTF)の転送記述は
IBM ACS (=Access Client Solutions) の DTFX に移行できるとアナウンスしているが
ご存じのとおり問題が多くて使い物にならない。

これは昨今のIBMソフトウェア製品の品質の問題もあるかも知らないが
元々の CA/400の転送記述が ASCIIコードではなく UNIコードで書かれているせいもある。
UNIコードと言えば UTF-8 かまたは UTF-16を思い浮かべるが
CA/400の転送記述は、そのどちらでもない、UTF-16LE というコードで
CCSIDは 1202 である。
UTF-16のCCSIDは 1200であり、UTF-8のCCSIDが 1208である。
UNIコードといえばWebの世界で圧倒的に普及しているが UTF-8であるが
IBM は UTF-8は使わない。
RPG によるUNIコードのサポートも UTF-16だけである。
今回も UTF16LE (CCSID:1202) というあまり馴染みのないUNIコードである。

参考までによく知られているコード変換API: QDCXLATE は
UNIコードの変換には使えない。
QDCXLATE はあくまでも EBCDIC と ASCII とのあいだの変換だけである。
UNIX でも使用されている汎用的なコード変換API は
IBM i でも使える iconv というAPIである。

しかし何と IBM i の iconv は CCSID:1202 の変換をサポートしていない。
IBM はこのことに気づいているのだろうか?

CA/400の転送記述を IBM ACS に移行するのは無理に近いようである。